地域を支える生産者

2025年1月 イチゴ生産者

基本を大事に、様々な経験を活かす

イチゴ生産者 

北出 満さん(40)(一緒に写っているのは息子の紬くん(1歳))

プロフィール

約20aの圃場で、かおり野、章姫、紅ほっぺ、うた乃などの品種を栽培。農産物直売所や共選出荷のほか、直売所を通してレストランや洋菓子店などへの出荷も行っている。最近は歩き始めた息子の紬くんの練習のため、家族で公園に行く事が多い。

農業を引き継ぎたい

 県外で就職していましたが、2018年に結婚を機に三重に戻り、両親が元気なうちに農業のノウハウを引き継ぎたいと考え、就農しました。最初はわからない事ばかりで教わりながらやっていました。少しずつ経験を積み、自身のこれまでの社会経験も活かして作業に応用して取り入れるようになりました。栽培方法も元々は土耕栽培でしたが、低い姿勢で作業するため体に負担がかかりやすいことから、毎年1つずつ棚の上で栽培する高設栽培に切り替えて作業性を上げるようにしていきました。今年で就農7年目になり、ようやく1年の流れがつかめてきたと感じていますが、やはり自然が相手なので毎年同じようにはいかず、苦労する場面も多いです。

基本に忠実に丁寧な栽培

 栽培は基本に忠実に、苗や土、周囲の環境などをよく観察して、変化や異常にすぐ気づけるように心がけています。大まかな栽培の流れは決まっているので、年間のスケジュールを立て、常に少し先のことを考えて作業しています。しかし、私が就農したこの7年間でも気候が大きく変化し、猛暑の期間が長くなり、今までにないような台風や突然の大雨など、対策しなければいけないことも増えました。状況に合わせて、イチゴを守るためにできる限りのことをしています。今年度産は猛暑の影響で花芽がなかなか確認できずに定植が少し遅れたので心配していましたが、11月中旬には収穫が始まり、味も良いものが収穫できています。

「美味しい」を繋いでいきたい

 

 こうして長い期間かけて育てたイチゴが順調に育ち、収穫を迎えたときとても嬉しく思います。また、直売所でお客さんなどから「美味しかった」の声を伝えてもらった時や、自分の息子が美味しそうに食べてくれるのを見ると作っていてよかったと実感します。今後も異常な気候が続いていくと思いますが、その中でいかに対策し、高品質な農産物を作っていけるかはイチゴに限らず農産物全体の課題だと思います。それでも作り手がいなければ食べることはできません。今年、美味しいと思って食べてくれた方が来年も思い出して買いに来てくれる…そんなことを繰り返していけるように、これからも励んでいきたいです。

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