プロフィール
勉さんは一志じねんじょ部会の部会長を務め、約30aでジネンジョを栽培している。11月中旬から12月下旬に年間約680本をJAに出荷予定。勉さんは囲碁、将棋、数独が趣味で、あい子さんはお昼寝が好き。
22年前に銀行を退職し、認知症予防のために農業をしようと考え、土地を借りてジネンジョを栽培しはじめました。ジネンジョを選んだのは私が小学校低学年くらいの時に、父が買ってきた貴重なジネンジョをその日の晩に母が調理してとろろ汁にして食べさせてくれたこと今でも良い思い出だからです。栽培方法は図書館で調べて、その後JAに相談し部会に加入しました。栽培当初は、先輩の生産者から「種芋は高価なので、50本から始めた方がいい」とアドバイスを受けてスタート。翌年は650本に増やし、その後一番多い時で約1,200本栽培していました。
一志じねんじょは地域の特産品で贈答品として好評です。いいものを作るために、連作障害を起こさないよう4つの畑をローテーションさせていて、1年間耕作をしていない畑で栽培しています。一般的に自生するジネンジョは土の中にある木や石で曲がりますが、土の中にパイプを斜めに埋めてまっすぐ生長するようにしているのが一志じねんじょの特徴です。ジネンジョの葉は光合成させることでツタを通って土の中にデンプンを届けます。そのため、葉が多くないと栄養が届かず太いしっかりとしたジネンジョに育ちません。また、土の中の温度は熱すぎずでも冷たくなってもいけないので白黒マルチで土を覆って温度管理をし、敷き藁で通気性をよくして夏の熱い時期の高温障害も防いでいます。今年は台風による影響もなく順調に育ってくれています。
ジネンジョの栽培は2月から12月までと長期間続きます。その時期ごとにやることがルーティーン化されているため認知症予防になっています。収穫を迎えたときにおいしい自然薯が食べられる喜びがあるのでやりがいがあります。年齢とともに栽培できる本数は限られてきますが、1年でも長く続けていきたいです。
※ お話は勉さんにお伺いしました。