地域を支える生産者

2021年4月 いちご生産者

「喜んでもらいたい」を原動力に突き進む

いちご生産者
いちご屋くろべえ
谷川 雅之さん(49歳)

プロフィール

脱サラし、23歳で就農。現在は55aの面積でいちご(章姫)を生産し市場や直売所に出荷しながら、いちご狩り園も経営している。趣味は料理と美味しいものを探すこと。

野心を抱いて農業の道へ

独立を決意した際、家が農家だったこともあり、自然と農業の道を選択。「誰かが喜んでくれることをしたい」という想いの下、様々なものに挑戦し、いちごの生産にたどり着きました。当初は夫婦で出荷用のいちごを生産していましたが、JAによる消費者を意識した農業の展開として、就農後約10年でいちご狩り園を開くことに。以来、出荷といちご狩り園を両立させながら日々生産に励んでいます。

いちご狩り園の集客に奮闘

いちご狩りを始めた当初、何より大変だったのが集客。市場への出荷との考え方の違いに驚かされました。なかなか集客できず、せっかく作ったいちごを処分せざるを得なかったことも。HPの立ち上げや雑誌の取材など集客に努め、5年経つ頃にようやく軌道に乗り始めました。

経営だけではなく、いちごの生産についても手は抜けません。味はもちろんのこと、安定していちごを実らせるために、株のバランスを見て1か月後の姿を想像し、そこに合わせて施肥や防除を行うようにしています。「いつ来てもらってもいちごがあると言える安定した生産ができることがブランドだと思っている」と谷川さんは自信を見せます。

消費者の喜ぶ姿を目指して常に挑戦

生産していて何より嬉しいのが消費者の声。プレゼントなど、依頼に合わせて添える直筆のメッセージは人気の一つです。また、いちごの生育を促進するための照明を活用した夜間のいちご狩りは、ロマンティックな雰囲気が話題を呼び、全国に広がりました。今はコロナ禍で苦戦を強いられていますが、消費者に喜んでもらえるようにと対策を練っていちご園を開いています。

将来的に事業承継をしていくために、今後は法人化し、多角的に安定した収入を得られるようにしたいと話す谷川さん。現在は経営を一手に担っていますが、仕事を見える化するためにマニュアルを作るほか、ハウス内の気温や土壌水分の数値がスマホに届くようなシステムといったIoT(※)技術も導入するなど常に改革しています。「今はとにかくいちごを作っているのが楽しいのでまだまだやりたい」と笑う谷川さんのいちご園には温かさが詰まっています。

(※)IoT…Internet of Thingsの略。モノがインターネット経由で通信すること。

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