園芸研究家●成松次郎
ミズナ(水菜)は古くから京都で栽培されていたツケナの一種で、キョウナ(京菜)とも呼ばれます。葉の形が細く、切れ込みの多い菜類ですが、柳の葉のような丸葉に分化したのが壬生菜です。本来は、大株にして水炊き、すき焼き、漬物に利用しますが、最近は小株取りして、サラダとして人気の高い野菜となっています。
[栽培時期]
小株取りでは、冬を除き種まきができ、夏まきは30日程度、春秋まきは40~60日で収穫になります。大株取りでは8月下旬~9月中旬に種まきし、12~3月に収穫します。
[品種]
葉の幅が狭く葉数の多いサラダ用の「京みぞれ」(タキイ種苗)、「京すだれ」(丸種)は茎が白く、シャキシャキした食感の品種です。大株取りでは「晩生白茎千筋京水菜」(タキイ種苗)などが良いでしょう。
[土作り]
幅100~120cmのベッドを作り、1平方m当たり堆肥1kg、苦土石灰100gと化成肥料(NPK各成分10%)100gを全面に施し、土とよく混ぜておきます。
[種まき]
小株取りではじかまきとし、ベッドに幅20cm間隔の種まき溝を作り、およそ1cm間隔に筋まきします(図1)。 種まき後は防虫ネットでトンネルを作り、害虫から保護すると良いでしょう。大株取りでは移植栽培とし、セルトレイや小型ポットに4~5粒まき(図2)、間引きして本葉5~6枚の苗を作り、条間30cm、株間30cmに植え付けます。
[管理]
小株取りでは本葉が出て込み合ってきたら、適宜間引きを行い、最終的には5cmくらいにします(図3)。大株取りでは、種まきの1カ月後と2カ月後に化成肥料で、それぞれ1株5g程度の追肥をします。
[病害虫の防除]
アブラムシは、サンクリスタル乳剤など、アオムシ、コナガにはトアロー水和剤CTなど環境に優しい農薬で防除します。
[収穫]
小株取りでは葉の長さが25~30cmくらいが収穫適期です。一部を収穫し、株間15~30cmとなるように株を残し、中~大株取りにしてもよいでしょう。大株取りでは、1kgくらいから収穫を始めます(図4)。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
JA広報通信2021年6月号