地域を支える生産者

2023年1月 ストック生産者

新しい仲間に伝えながら楽しんで栽培していきたい

ストック生産者
久留内 小夜子さん(77歳)

プロフィール

3.6aでストックの「アイアンシリーズ」を白・紫など5色ほど栽培。12月から1月にかけてストックを市場に出荷し、その他の期間には直売所用に仏花なども栽培している。

花の栽培が楽しくて

 ストック栽培を始めたのは昭和60年頃、当時の松阪南豊農協が新規振興作物として募集していたストックのハウス栽培事業がきっかけでした。ちょうど空いたハウスがあったので、それを利用して始めました。花部会にも加入し、県外の他産地へ視察に行ったり、他の生産者と交流したりすることも多く、楽しく栽培していました。台風によって5棟あったうち3棟のハウスが被害に遭い、しばらくは2棟でストックだけを栽培していましたが、近くにきっする黒部ができたことをきっかけに、ハウスがあった場所で仏花を中心に別の花の栽培も始め、現在まで至っています。

綺麗だから頑張れる

  ストックは夏の暑い時期に種まきから始まり、芽が出たらハウスに移植して水やりしたり、虫や病気の防除を行ったりと、ハウス内で様々な作業を行うので大変です。定植前にはその苗が一重になるか八重になるかを見極める「八重鑑別」も行います。八重だけが商品になるので大事な作業ですが、まだまだ一重を出してしまうのでいつも難しさを感じています。
  また、土づくりも大切です。葉の色や茎の太さ、生長速度などを見て何が不足しているのか考え、肥料を足していきます。ハウス栽培なので土壌に養分が残ってしまうことから、1シーズン終わると土壌改良剤を入れています。 大変な部分は多くありますが、手をかけた分、花が咲くととても嬉しく、「また頑張らないと!」と気合が入ります。

支え合って続けられる

 ストックは花の少ない時期に咲く花で、色数も豊富で良い香りがします。そのためか、たまに直売所にストックを出すととても喜ばれます。「綺麗な花をいつもありがとう」と声をかけてもらった時が本当に嬉しいですね。
  近年、生産者が減少していますが、JAが合併した後、ストックを栽培したいと他地域から部会の巡回に参加してくれている方がいます。とても熱心で、嬉しく思っています。ストックはハウスがあれば栽培できるし、育て方は部会で研修したり部会員同士で教え合ったりもしているので、少しでもやってみたいという気持ちがある方はぜひお近くのJAに相談してみてほしいです。私も元気なうちは頑張って良い花を作り続けていきたいです。

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